現代アートの盛んなSeoulへ研修旅行

期間
2006124‐127


 団DANSの作家達と一緒にいて、国外のアート事情を見に行きたいと思う様になりました。ソウルは東京より現代アートが盛んだと聞いて2007年の早春に有志10名程で行く事にしました。

 ソウルにはレム・コールハース(Rem Koohaas)、ジャン・ヌーベル(Jean Nouvel)やマリオ・ボッタ(Mario Botta)という世界的な建築家が設計したリウム(Leeum)美術館という、サムソン(Sumsong)の一族、リー夫人の素晴らしい現代アートと高麗・李朝陶磁のコレクションがあります。そこを皆で見るのも楽しみでした。

 作家の一人がフランスのレジデンスで知り合った、写真家のハン・ソンピル(Han Sunpil)君が大変親切にソウルのあちこちにある現代アートのギャラリーや美術館を案内してくれました。多くのギャラリーは天井も高く広々としていて、彼は東京の事情も知っているので、びっくりしている我々に誇らしく案内してくれました。ソンピル君はその後も海外のレジデンスに行って、日本や海外でも多く展示を続け、なかなかスケールの大きい作品を作っています。

 私の長年の友、ハン・ボンジュ(Han Bongju)さんはご親切に皆を食事に招いて、彼女のお友達の住む文化財指定の伝統的な韓国の素晴らしい邸宅の見学をアレンジして下さいました。友達の親切に感謝いっぱいでした。

 ショックだった事は、作品のポートフォリオを持って来た作家が2、3人しかいなかった事です。何のためにギャラリーを回るのか、次回からは作品写真のCDを何枚か焼くか、作品のポートフォリオを数冊持って海外に行くのよ!と皆に伝えました。

 近い様で遠い国と言われる韓国は、江戸時代にも日本と交流を続けており、中国からの多くの文化も朝鮮半島を通って日本に入っていましたから、文化的にも人種的にも最も近い国だと思います。近代に入り日本の軍国主義の台頭でアジアの多くの国を戦争に巻き込んだ太平洋戦争という私達には恥ずべき歴史があります。戦後70数年が過ぎた今、過去の重い事実を受け止め、過ちを二度と繰り返さないよう、平和の尊さを子孫達に伝えていく義務があると思っています。今の平和を満喫している我々にとっては、過去の歴史は想像するのも難しくなっています。過去の過ちも現在の平和も、時代を生きた人々の歴史の上にあり、戦争で志を遂げずに亡くなった多くの人達の礎の上にあります。歴史の教訓を大切にして未来に繋げたいものです。

 韓国は人口の少ない国でありながら、若い人はよく勉強し、海外の大学に出て活躍している人も多く、アートの分野でも海外で活躍する作家の数はおそらく日本の数倍かも知れません。彼らの行動力と旺盛な向上心は特に日本の若い世代に学んでほしいと思いました。

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