Thinking of ENERGY  -from the experience of FUKUSHIMA-

会期
20141016日(木)‐1113日(木)

会場
ドイツ外務省(ベルリン、ドイツ)

アーティスト
太湯 雅晴、長谷川 創、風間 真悟、小林 雅子、黒沼 真由実、前田 真治、野口 一将、佐々木 悠介、海野 良太、矢部 裕輔、山田 啓貴


 ベルリンの、特に東側は家賃が安い事もあって、ヨーロッパの作家達が集まるようになり、現代アートを扱うギャラリーも沢山出来、今のヨーロッパでは現代アートのメッカとも言えます。

 ベルリンでの展示の火付け役は、長年の友アームガード・フォン・レーデン(Armgard von Reden)と彼女の親友で前駐日独公使だったアナ・プリンツ(Anna Prinz)です。ベルリンの外務省で文化担当の職にいたアナは、外務省にあるリヒトホッフ(Lichthof)という吹抜けの素晴らしい玄関スペースでの展示を考えてくれました。又、アームガードは友人のヘニング・フォン・ザンティエ(Henning von Zhantier)氏の、ベルリン西側の目抜き通りにある弁護士事務所(此処は長い廊下と沢山の部屋があります)を見つけてくれました。

 ベルリンの外務省での展示は「エネルギー問題を考える」をテーマにして、エネルギー問題に熱心で原発ゼロを目指すドイツ人には良いテーマと思われました。駐独日本大使館の中根大使はじめ、町田達也参事官にはスタートから大変お力添え頂きました。町田参事官はご自宅でパーティーをして下さり、外務省との間で難しい交渉をして下さいました。

 又、ベルリン・日独センターの坂戸勝館長や河内彰子さん、那須田栄さん等、スタッフの方々も大いに具体的な情報を下さって、大変力を貸して下さり、作家達とも本当に打ち解けて最後の打ち上げでは感激一入でした。

 リヒトホッフの天井は25mの透明な吹抜けガラス、ホールの中には木も植えてあり、小川のように水も流れているユニークな場所です。作品は力が無いと場所負けしてしまいます。何人かの作家は共同で東北の「ねぶた」を現地で作りました。勿論、作品搬送が大変だからです。この展示には日本大使館、ベルリン日本センターも力を入れて下さり、心強い支援を頂きました。公的な場所ですから、販売は出来ませんが、そこでの展示は良い経験になった事と思います。

 ドイツ外務省は官僚機構ですから、事務的なやり取りは私達にとって新しい経験でした。各自の持場と命令系統がしっかりあって、事によっては動きがとれなくなってしまいそうでしたが、フォン・ウェルデルン(von Werthern)駐日大使や、前駐日大使ハンス・デール(Hans Dearr)夫妻が大切な時にいつも支援して下さり、どんなにか感謝したことでしょう。

 陽が落ちると素晴らしい外務省のホールに大きなバルーンの作品が浮かび上がり、ホールのアチコチに楽しく作品が置かれ、毎日何百人と外務省を訪れる人達は驚きと好奇心で作品を見ていました。

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