The House – 現代アートの住み心地 –
会期
2008年5月19日‐5月29日
会場
日本ホームズ住宅展示場（東京）
A棟
キュレーター
麻生 和子、平野 龍一
アーティスト
麻生 知子、笛田 亜希、藤田 勇哉、太湯 雅晴、伊東 明日香、北村 直子、村林 基、武藤 亜希子、中田 ナオト、滑川 由夏、山田 啓貴
D棟
キュレーター
麻生 和子、平野 龍一
アーティスト
赤摩 千穂、秋好 恩、江口 暢彌、長谷川 創、蓮實 真理子、久村 卓、五十嵐 純、井上 裕起、石黒 元嗣、神宮 妙子、加藤 広士、菊池 省吾、北川 純、小林 雅子、黒沼 真由実、前田 真治、ミヤケマイ、盛田 文吾、諸熊 仁志、野口 一将、野口 二朗、野口 哲哉、岡 芳恵、奥村 理絵、大野 修平、佐藤 雅晴、徳丸 鏡子、友政 麻理子、海野 良太、宮永 ゆみ、吉田 朗、吉増 麻里子
N棟
キュレーター
橋本 誠
アーティスト
阿部 岳史、雨宮 庸介、平野 薫、窪田 美樹、丸山 純子、さとうかよ、山崎 龍一
X棟
キュレーター
新野 圭二郎、土屋 貴哉
アーティスト
藤井 光、岩井 優、森田 浩彰、Nadegata Instant Party、新野 圭二郎、土屋 貴哉、和田 昌宏
ある友人から六本木にある日本ホームズの住宅展示場が近々壊される、という話を耳にしました。そこを所有する竹中工務店の社長、竹中統一さんにお願いして、展示場を壊す前に、そこで展覧会をさせて頂けないかとお願いした所、快く承諾して下さいました。
モデルハウスは全部で4棟。キュレーションは私と平野龍一さんがA・B棟を受け持ち、C棟はフリーキュレーターの橋本誠さん、D棟はメンバーでいつもユニークなコンセプトで作品を作る土屋貴哉君と彼の友人の作家、新野圭二郎さんに任せ、すべて自由に展示をして良い事にしました。
展覧会には多くの作家が参加してくれて、どの棟も玄関からリビング、寝室、台所からお風呂、トイレまで若手作家達の作品が展示され、受託展示場の家々は通常と全く別の空間になりました。
中には床を剥がして、ジッパーで部屋を分断する作家もいましたし、類を見ない個性的なカタチのグランド・ピアノを作った作家や、六本木のゴミを袋に入れて部屋に積み上げた人もいました。思い切った作品が各棟で展示され、棟ごとに個性があふれ、面白い展示になりました。
この回あたりから、海外（特にドイツ）に長く滞在した経験のある作家が展示に参加するようになりました。なかなか優秀な作家達で帰国はしたものの展示の機会がなく困っていたのです。海外に長い作家にとっては帰国してから、どの様に日本のアートシーンに関わったら良いか、模索するようです。
この展示を東京MXテレビが取材してくれました。場所柄もあって、毎日若者が大勢楽しそうに見に来てくれて、活気ある展示となりました。
ファンドレージングのランチは友人の力石寛夫さんが紹介して下さった会場近くのレストランが協力してくれて、大勢の方が来て下さいました。各テーブルにチョコレートを寄付して下さる方もあり、矢島恵子さんはじめ多くの友人に助けられました。オープニングのイベントとして展示作家達がランチの席で紹介されることも定着しました。
それまでバラバラになっていた名簿は現代アートに縁の深い梶田靖子さんがボランティアですっかり整理して下さり、大変有り難い事でした。
団DANSの登録作家数もかなり多くなりました。しかし、展示に参加する人ばかりでなく、一度も展示していない人もいましたので、一度メンバーを整理する必要が出て来ました。展覧会を催す場合、まず場所が決まるとメールでその時期とテーマを伝え、それに対して作家が作品プランを練って、決まったフォーマットに書き込んで、展示を申し込んで来るのですが、応募して来ない作家はメンバーから外れて貰う事にしました。メンバー数は減っても本当に団DANSの展示に参加する作家達と一緒に活動したかったからです。
有名な中華料理店：トトゥーランドットのご主人脇屋友嗣さんはアートがお好きな方でアークヒルズにあるレストランに作家達の作品を入れ替わり展示して下さいました。お店のあちこちのスペースいっぱいに作品を展示させて頂いた事は作家達にとって、何よりの良い経験になりました。
大林剛郎さんは素晴らしい現代アートのコレクションを展示するスペース・游庵を持っていらして、作家達をそこに御招き下さいました。安藤忠雄さん 設計のモダンなコンクリートの建物にマッチした有名な作家達の作品やコレクションのお洒落な展示にため息をつきながら見学させて頂きました。なかなか無い機会を頂き、作家達への温かいご好意に感謝いっぱいでした。